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さらしものな日記

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2012-09-03 [J] 4年とちょっと前に

_ いつもぐうたらな駄文ばかり書いてますが、改めて見るとこんなことも書いてますね、私。

_ 『政治家、官僚、社長、会長… 今の世の中どいつもこいつもとにかく「謝罪のできない責任者」ばかり、私はこれが、今の日本の社会での、群を抜いて一番の大問題だと思います。

「言い訳」するな。「遺憾」という言葉は使うな。罪も責任も説明も何もかも「他人」に任せるな。「恥」を感じろ。

民衆が聞きたいのは責任ある立場を正しくまっとうした「的確な説明」と「自分の力のなさを悔いる謝罪」だけだ。

古きよき「恥」を知る日本の心からも、今後必要なグローバルスタンダードからも外れた、ただただ情けないあんたらの態度が、世界中で日本の地位と品位をひたすら下げ続けてるのがわからないのか?』

_ …何をかいわんや、ですね。

_ 元は、「北京五輪日本選手団団長」のじいさんへの、精一杯のけなし文句でしたが、この4年間で、本当に多くの人に同じ事を言わずにはいられない状況となっていきました。

テレビでは毎日議員さんの言い訳が飛び交い、自分達の誤報や恣意的な報道を棚上げにして同じ相手を公共の電波という暴力で締め上げる。

おかしくないですか? あなた達がこぞってお勧めしたんでしょ? 今問題視してるということは、間違いだったということでしょ? お勧めした責任は? 恥は感じないの?

そしてまた今日も、大阪の方の別の人をこぞってお勧めする。「道州制がどうたらこうたら」「議員定数は半分に」。

大阪市長が京都や兵庫・奈良、ましてや国政に首を突っ込むのは明らかにお門違いです。カッコつけてるのか、市民の嫌いな政局的なタイミングとやらを見計らってるのか、なんだか知りませんが、自分の足元の市政を大事にしないなら、今すぐ市民に深々と謝って、市民からの非難を浴びながらさっさと市長をおやめになったらどうですか? どう考えても、市長や県知事を真面目にやってたら、他県や国政への口出しをしている余裕や暇などないと思うのですが。

(話題は外れますが、私は議員や公務員を減らすのはあまり賛成できません。むしろ増やしてもいいと思います。その代わり、公務員の給与は都道府県で決める最低賃金、議員は必ず他の職業を持つ上で無報酬でいいと思いますよ。イヤならやめればいいんです。職のない時代、あなたたちの代わりはいくらでもいるのです。特に公務員なんて、クビにならないんだから。いやなら法律・条例上の最低賃金を上げればいいだけです。それは回りまわって他の労働者の生活をも上向きにします。それでも足りなきゃお札でも刷れば?)

そんな地方の一市長にコケにされながらも媚びへつらう議員の方々。「○○と言ったから民主が悪い」「いや、前から○○だから自民が悪い」。いい加減言い訳やら他人へのなすりつけやら、やめたらどうですか。大人でも理解に苦しむあなたたちの言動を、子どもに正しく説明できないと多くの親が要らぬ苦悩にさいなまれています。

(利害がぶつかる以上、政治は必ず必要悪です。その点において今回は時の首相がその役割を引き受けた、と、一部に評価する向きもあります。ほぉ、数百万人のために1億2000万人を泣かせるのが必要悪ですか。まず公務員の給料を最低賃金まで下げてみれば? それも公務員からみたら必要悪ですが。確かに会見でも何やら説明してましたが、増税以外の言葉は私には聞こえませんでした。低所得者へのばら撒きも示唆したようですが、私の給料も知らないくせに、誰にどれだけの補助金をばら撒くつもりですかね? やりたきゃさっさとマイナンバー制度でも実施すれば? もっと必要悪になれますぜ)

_ とまあ、4年経って振り返ってみるとですね、もう正しく謝るということを知らない/出来ないから、謝らなければならないようなことはしない… なんか世の中がそういう方向に進んで行ってもおかしくないような。

少なくとも、日本的常識を持つ人達なら、「すぐ謝る」は美徳としているところではないでしょうか。ただ、何でもかんでも謝るというのもどうなんでしょうか?

グローバリズムだの拝金主義だの食事の欧米化だの、何が原因かは知りませんが、「謝罪する」という場面をとんと見なくなりましたし。

本当に正しく謝るということを知らない/出来ないのか、ちょっと個人的なまとめ方で考えてみましょうか。

_ 「謝罪と賠償を」最近よく聞くフレーズですね。いつも笑ってしまいますが。

個人的には、謝罪、と言うか「謝る」というのは、もっと大きな話なんじゃないかと。

謝るためにはまず、「事実を明確にする・確定する」という作業が、最初に、迅速に、かつ正確に、真摯な態度で実施するのが必要ではないでしょうか?

「何が」「いつ」「どこで」「誰と」「どのように」等が、双方合意できる形でまとめあげられなければならない、ということです。私が4年前に「説明しろ」と言ったのはこの部分に当たりますね。

合意、というのは読んで字のごとく、「お互いの意識・意見が合う」ということなので、「相手に理解してもらう努力が双方に必要」です。説明を「他人」に任せてはダメです。また他人からも「的確な説明」を求めなければなりません。会社や組織の謝罪会見などの場合は相手がいないでしょうけど。

ただ、人は記憶や感情が常に不確かな存在なので、言葉や気持ちの羅列だけだと合意形成不可→どちらも謝らない、という流れになるしかないでしょう。「言い訳」や「遺憾」、「ころころ変わる証言」などではダメなのです。それは言った本人も含めて双方が信用も理解もできないのです。対する先人の知恵、ひとつの解決策として、「証拠」があります。証拠があれば、それについて互いに話し合うことも出来るでしょう。どちらかがぐうの音も出ない程の証拠もありますが。

このようにして「事実を明確にする・確定する」が両者の間で完了し、謝罪する必要があるという認識が両者で一致して、初めて次のプロセス「事実に基づいて謝罪の内容を決める」に進むことができます。

内容はそれこそ事実に基づいて決まるでしょう。車でバックして隣の家の庭に突っ込んだなら、色々賠償するでしょうし、待ち合わせに5分遅れても特に何も問題なければ、両手を合わせて「ごめんね」で済むかもしれません。

そして最後に「謝罪の実行」と、もうひとつとてもとても大切な「再発防止策の策定」となるかと思います。「自分の力のなさを悔いる」と、おのずと再発防止策が見えてくるのではないでしょうか?

これが謝罪の全貌かと思います。

(だから「謝罪と賠償を」のフレーズは笑ってしまうんですよね。感情を抜いた事実のみに基づく合意は? その合意内容から本当に賠償内容は生まれるの? あと再発はしてもいいんだ?(笑) 真に問題の解決を望む場合には決して使われない、最低のフレーズですね。普通は「問題の解決と今後の対策を」ですよ)

_ ここまで書いてて気づいたのですが、人間と言うのはすばらしいものですね。割と身近な問題なら、互いに目をあわせただけで「大体の事実を明確・確定」して、「どこまで謝ればいいか」を察して、割と的確に「謝罪」します。恥じることを知っていれば、自ら「再発防止」を誓う事でしょう。

特に、日本人同士の、独特の距離感や美徳、信頼関係や「あうん」の呼吸が、「すぐに謝る」という、互いに認め合う最適な謝罪の形を生み出せるんですね。日本人お得意の「察する力」と言うか、これはもう「ニュータイプ」の域に達しているのでは?

よく外国人と比較して「卑屈になってる」、とか言われますが、決してそんなことではないんですよ、きっと。互いに事実を把握して認めるトレーニングが普段から出来ているんだと思います。

だからこそ、相手が独特の感覚を使えない場合は、よりいっそう、まず「事実」の把握から始める必要があるんですね。「感情」のような不確かなものではなく、「事実」がなければ納得できない。だから合意が形成できない。

なんだかダグラムの次回予告みたいですね。「正義ではなく、真実を知りたい」と。正義は人の数だけあるが真実はただひとつ、ということです。となると、正義という名の感情で争うことに正解はなく、ただひとつの、曲げることのできない真実・事実のみが正解を導き出せるわけで、いかに事実の明確化・合意が重要かが良くわかります。

(てことは、ニュータイプもダグラム次回予告も、とても日本的発想・感覚に基づいたもの、ということなんですかね)

_ 実は本当にダラダラと無軌道に書いていたのですが、少しだけ何かが見えたように思えました。

今の人たちは、「互いに事実を把握して認めるトレーニング」が普段から出来ていないのではないでしょうか?

事実を事実であると認める能力がなければ、謝るという発想が頭に思い浮かばない。多分「逃げる」程高等な話ではなく「能力がない」んだと思います。

事実を自分から把握しようとする努力がなければ、謝罪しなければならない事柄を平気で見逃してしまう。これも「目を背ける」程の高度な話ではなく単なる「怠慢」なんだと思います。

そんな人達だらけなら、なるほど誰も謝らないんですね。自分で勝手に納得です。

_ てなわけで、今の日本人は皆トレーニング不足な人が多いんです。心も、体も。

もちろん、私もですけどね。

「出来る人はサボったらダメだと思うの」(Byジュディ姉)

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