トップ 最新 追記

さらしものな日記

2004|10|11|12|
2005|01|03|04|08|09|10|12|
2006|01|03|04|05|06|07|08|10|11|
2007|01|02|05|06|07|08|09|10|
2008|07|08|09|10|11|12|
2009|01|02|04|05|06|08|09|10|
2010|02|03|
2012|09|
2013|08|

2005-10-03 [J] あのう、私はあほうでしょうか?

_ 最終回を迎えた「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」。

…一体何が言いたかったのでしょうか? やっぱり私にはわかりませんでした。

_ 合計2年、回数にして100回を数えた話で、ガンダムSEEDシリーズは何を訴えたかったのでしょうか?

_ 前作の最終回もさっぱり意味がわかりませんでした。

確か、ラウ=ル=クルーゼとキラ=ヤマトの理解し難い一騎打ちが延々と続き、ああ、クルーゼという人の社会への復讐が一応テーマの一つだったのかなぁくらいは思ったつもりですが、それもありふれた話というか、50話かけてそれくらいしかテーマらしきものが見当たらないというのは話数の無駄遣いだと感じていました。

_ ところが今作DESTINYは、それに輪をかけてさっぱりわかりませんでした。

_ (声優さんが同じであることからも)最初から決まっていたのであろう、レイ=ザ=バレルとラウ=ル=クルーゼの関係。ラス1でそれを唐突にシン=アスカに打ち明けたわけですが、最終回で唐突に、しかも戦闘中にキラに説得されたらあっという間に宗旨変え。間違いだったとわかっていても信念って、変えられなくて苦労するのが人の性ではないかと思っていたのですが、あの忙しい戦闘中に、最大の敵キラからちょこっと説教されただけで人間あんなにも簡単に考えを変えるものなのでしょうか? もし私が脚本家なら、3クールの終わりくらいから徐々に彼に起こる心境の変化ってやつを描きたいなと思うんですがねぇ… 狙って描くと面白いと思うのですが… そういう逆算した話の作り方って、ライブ感覚が薄れるとかで、今の世の中ではウケないんでしょうか。

_ 物語が始まった当初は確かに主人公として描かれていたシン。彼も結局何をどうしたかったのか、50話の中では結局わかりませんでした。常に状況に流され続け、何が正しいのかを判断しながらの行動はほとんどしていなかったように思えます。大ボスが最初からギルバート=デュランダル議長だったと決まっていたのなら(多分そうだったんでしょうね)、私が脚本家なら絶対に2クール一杯かけて議長に惚れ込みつづけ、2クール目最後か3クール目冒頭で何か決定的な(ただし側近でないものには理解しにくい)悪事を議長が仕掛け、それに気づいたシンがオーブへの恨みと議長の悪事との狭間で悩み続け、4クールはオーブへの想いを飲み込んで彼が寝返るようなパターン(王道ですか?)を描くと思いますが… ついでに、あまり好きなパターンではありませんが、さらにウケを狙うなら、3クール真ん中あたりでキラが命を落とすことになり、絶命寸前で、既に寝返っているシンに平和への想いをたくすといった、最後の最後できちんと主役交代するというパターンも、そーゆーのが好きな人にはたまらないのではないでしょうか?

_ さらに悲劇を描くなら、最終決戦でルナマリア=ホークとの一騎打ちというのもアリかもしれません。そこに止めに入り、(既に4クールまるまるかけて)説得にかかるアスラン=ザラ。一度はアスランを慕ったルナマリアは悩み、戦うことを止めてしまう。その緊張感の途切れた一瞬に、流れ弾によって命を散らす。シンの怒りが頂点に達することでしょう。また、Vガンダムのパクリになりますが、どうせザクやグフも出していたのだから、キラの死を悼むラクスは彼の意志を継ぎ旗艦エターナルで特攻をかけ、議長の砦である要塞(名前失念)の機能を命がけで停止させるというのも物語的には効果的かと。で、やりすぎるとすると、要塞から出てきた議長の乗る超巨大MSにシンとアスランが挑むってところで大方の視聴者のカタルシスも得られるような気がします。ベタですけどね。

_ でもって、もし私が主役級の状況を1クールから順番に考えるとすると、こんな感じでしょうか?

シン=オーブ嫌い・議長バンザイ→議長の采配に悩む→議長のやり方が間違っていると考え寝返る→信念を持って議長を打ち倒す

レイ=議長に育てられたクローン→議長の命令を忠実に遂行する→シンに裏切られ身の孤独を感じる→敵であるキラをも失い、自己否定に陥りつつ在りし日のキラの言葉に突き動かされ最終的に寝返る

ルナマリア=アスランに好意を寄せる→シンと共に議長の悪事に気づく→シン、アスランに裏切られる→シンと一騎打ち、流れ弾でこの世を去る

キラ=(1クール目は登場せず)→オーブの民を守るためにフリーダムで出撃→議長が危険な存在であると見抜いたが力尽きる→(4クール目は登場せず)

アスラン=偶然ザフト艦ミネルバに乗り合わせてしまう→議長の政策に疑問を感じ訴えるが捕らえられる→シンを説得し脱出→最終決戦で先頭に立ち議長を倒す

_ こんなところですかね。たぶんキーポイントはキラが命を落とすというところ。このような難しい物語に主人公は2人は要らないでしょう。物語が動かなくなる可能性があります。どちらかに退場いただく必要があり、私ならキラに退場してもらいます。最強のコーディネーターも所詮は人間だったというオチもありかと思うのですが、どうでしょう?

_ …と、これほど考えさせられた最終回というのは今までお目にかかったことがありません。良い意味での「考えさせられる」ではなく、「私ならこうする」のオンパレードでした。こんな事ばかり私に考えさせるDESTINYは、何か根本的に間違っているのではないでしょうか? それとも、私はあほうでしょうか?

_ とりあえず、視聴した全時間を返して欲しいと本気で思った物語は初めてでした。人生を有意義に過ごしたい方は見ない方が懸命です。一般人にはまず理解できないのではないか… そう思う私は理解力の足りないボンクラなのでしょうか?


README日記の書き方