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さらしものな日記

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2013-08-14 [J] 佐渡川先生、謹んでご冥福をお祈りいたします。

_ 日記どころか年記みたいになってるけど、今日は書かずにいられない。

http://www.akitashoten.co.jp/news/191にて佐渡川準先生が永眠されたとのこと。

ただ悲しく、残念でなりません。

他の媒体ではまた違う形での報道がなされていますが、そんなことはどうだっていいんです。

もう「あまねあたためる」の続きが読めないのですから。

_ 慌てているのでグダグダですが、「ハンザスカイ」の感想も、遅まきながらこの機会に、割といつもの体で書かせていただきます。

もう後出しじゃんけんなので、感想の内容については、いろいろ言われても仕方ありませんが、読み終わった頃とあまり感想は変わっていませんし。

_ 単行本の最終巻を読んで、「ああ、そういうことなのか!!」と。ラスボスがすぐそばにいることに、まったく気づきませんでした。もなかが最後の鍵だったとは… 見事としか言いようの無いお話でした。

やはり登場人物一人ひとりを、硬く言えば「無駄にしない」、やわらかく言えば「大事に、大切にしている」、とても佐渡川先生らしいお話でしたね。

_ 龍之介の心がちょっと行ったり来たりだったのも、リアルなのを通り越してちょっともどかしく思いましたが、それもまた普通の男の子の普通の感覚なんでしょうね。迷いの無かった頃の方が普通じゃなかったわけですから、見事なまでに彼の心の変わりようを現していたのだと、気づいたのも最終巻でした。

_ あと、さすがだったのが、当たり前ですが空手の描写。圧巻のド迫力、なだけでなく、かなりの有識者ならではの、その道を極めれば本当にできそうな気にさせる技が多かったのも素敵でした。まあ、虎やら龍やらは見えないと思いますが…

青柳先輩や、他の高校の連中などとの、派手な戦いの応酬でしたが、振り返ると番場先輩の存在感の大きさに驚かされます。実直、聡明、ちょっと頑固、そして空手一筋なところは、勝手な想像ですが佐渡川先生本人の代弁者だったのかもしれませんね。

_ でも最初はね、ちょっと心配していたんですよ。「先生、ラブコメは難しいのでは!?」と。ちなみに、勝手にラブ「コメ」と決め付けていたのもいい思い出です。

で、穂波の存在がなければ、龍之介は空手を始めてはいないわけですから、当然そういう流れなのは仕方ない&当たり前なのですが、割と中盤くらいまで、彼女の存在は要らないのでは? とさえ思っていました。

段々そっち方面の話も減っていき、菅野先生が出てきてからは、もうどんどんスポ根ものに突っ走っていったように見えたので、彼女との話が足かせになるのでは? と、余計なことまで考えたものです。

そして、読んだ方はご存知のとおり、「勝ってくれ、頼む!」であり、最終回の彼女のあの顔ですよ。これもまた「やられた!」と。もうドキドキものですよ。ワクワクものですよ。読んでるこちらは、このあまりにもストレートな剛速球に、その都度悶え喜ぶしかないという。

佐渡川先生の作品は、一話完結な話の一話分でも、こんなに長い一本の物語でも、「終わり」となるまで、決して油断できないお話が多く、全編で一本のお話という今回は、ちゃんと今まで読んできた上での最終巻の、スポ根もの&恋愛もの両方に怒涛のごとく決着をつけるカタルシスといったら、もう本当に例え様の無いすがすがしさでした。単行本限定のお楽しみ、ごんべえとキャンディまでもが、まさかのきっちりハッピーエンドという、ウルトラCまでこなされて。

_ 若干打ち切りっぽい気がしなくもないですが、「シャカリキ!」と同じようなタイミングでの終わり方なので、ひとつの作品としては、これはこれでいいのではないかと。これ以上ダラダラ続けて右肩下がりになるくらいなら、終われるところでビシッと終わったのも、とてもさっぱりした気持ちになれました。

なので返す返すも、「PUNISHER」が完全な打ち切り状態だったのが残念でなりません。きちんとひとつの物語を終わらせることができる作者だったのですから。

_ 「あまねあたためる」の感想は、また今度ということで。というか、まだもう少しだけ終わってませんから。

_ 本当に、佐渡川先生には、面白い漫画をたくさん生み出していただいた感謝の気持ちしかありません。謹んで、ご冥福をお祈りいたします。


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