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さらしものな日記

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2009-06-06 [J] 「誰かが言った。人生の悲劇はふたつしかない。ひとつは、金のない悲劇…」

_ もうひとつは、金のある悲劇。

世の中は金だ。

金が悲劇を生む…

_ ええ、ええ、観てきましたとも、「ハゲタカ劇場版」!

上映が終わった瞬間、思わず大きなため息をひとつ、ゆっくりつきました。

素晴らしい、以上の言葉が見つけられないので、やっぱりただ一言。素晴らしい!

きっと出るであろうBlu−rayディスク版まで、パンフレットを見続けるか、それとももう一度くらいは映画館へ足を運ぶべきか…

_ しかし、あまりにもタイムリーというか、現実に寄り添いすぎているというか、ドラマかドキュメンタリーか、ノンフィクションか空想の産物か、よくわからなくなってしまいました。リアリティをつきつめると、かえってファンタジーになってしまうというか、なんとも不思議な感覚に見舞われてしまっています。「リーマンブラザーズ破綻はフィクションだったのか?」とか、「今回の世界金融危機はもしかして日本が引き金だったのか?」とか… こんなことを感じるなんて、実におかしな気分です。舌足らずでうまく感想が書けていないのは、いつもと同じでしょうか? でも、うまく思えない、という感覚は、非常に珍しく思っています。

_ 題材が題材だけに、残念ながらきっと万人に受け入れられるということはないであろう「ハゲタカ」。だけど、やはり視聴者の感じた通り当時のテレビドラマの賞を総ナメした「ハゲタカ」。当然起こる「続編、というか『ハゲタカ版現在』という空間」の製作への期待。そして、映画館で見回すと、思ったとおり観客層の年齢はかなり上だった「ハゲタカ劇場版」。興味のない人にはとてもお勧めすることはできませんが、テレビドラマ版に最後まで付き合った方は、少なくとも「映画館で劇場版のラストを見届ける、つまりハゲタカ版の現在にたどり着く義務がある」とさえ思えてなりません。テレビドラマ版で止まってはいけません。もう一歩踏み出す必要があるのです。もちろん映画館で1800円払え、とは言いません。後のレンタルDVDでもテレビ放送ででも構いません。誰もが思っていたけど口にできなかった、「2007年の後の、『ハゲタカ』という物語上の日本における、2009年にはじきだされるべきひとつの日本の答え」が、鷲津さんがとてもスマートに、そして芝野さんがとても熱く、それぞれの立場で語ってくれました。あとは、その答えを胸に、今日の、明日の日本を、一歩ずつでも、前に進めていかなければなりません。一旦停止しても構いません。振り返っても構いません。でも、いつまでもそこに立ち止まることは、決して許されないのです。それが、たとえ不幸な結末を招いたとしても…

_ とかなんとか言いながら、やっと発売されるWii(クロ)の注文ボタンをポチッと押す私。いいじゃないですか、日本のゲーム機だし。いえいえ、前から宣言している通り、OutRun Online Arcadeを日本で配信さえすれば、今すぐにでも買い戻しますよ、XBOX360だって。


2009-06-08 [J] ああっ! もったいないっ!

_ 佐渡川準先生の「PUNISHER」が第7巻で最終巻となってしまいました。いわゆる「ボクタチノタタカイハコレカラダ」な終わり方でしたが、おまけページを見るまでもなく、私にはその先の物語が確実に見えるような気がしました。凡庸な、とってつけたような話ではなく、「ふたり」で歩む、過酷だけど確かな運命や絆のようなものが…

_ 「破綻を来たさない様に手探りしながらじっくりと話を進めているようなスタンスにもみえるので、下手すりゃとっても長い物語になりそうですが、風呂敷をきちんとたためる作家さんだということは「無敵看板娘」で証明済みなので、むしろ現在のまだ慎重な進行具合からどこまで風呂敷を広げていくのかが楽しみです。」

_ 私は、2008年7月16日の日記に、上記のように書きました。

おまけを読んで、やはりこの思いは間違いではなかったことが証明され、勝手に喜ぶと共に、非常に残念な思いにかられてしまいました。既にここまで丁寧に彼らの旅路を積み重ねていらっしゃったのですね。たかがおまけの「その後」の数ページだけで、ここまで話が広がるなんて。しかも、今までの旅路には無駄な話が「まったく」なかったということも、ここまで描いて初めてわかることであり、その延長上の話であるとすると、おまけと言えど読者に提示していただいたのはとても素晴らしいことだと思います。現代には希薄となった、愚直なまでの物語に対する真摯な創作活動、道半ばでの完結はさぞや無念だったでしょうね。刹那的な若い子達にも、是非受け継がれて欲しい思いであり、そんな物語でもありました。

(おまけの「その後」を知りたいやつは単行本7巻買って読め。そしてそのたった数ページに、ただひたすら驚き、感動しろ)

_ また、同じ日の日記に、

_ 「キャラを一人ひとり大事にされる先生ならではの展開ですよね。」

_ とも書きました。これもおまけを読んで、今更大きく頷くと共に、一人、いや、一匹たりとも無駄なキャラがいなかったことについて、粗製濫造の現代においては賞賛に値する快挙だと、拍手をもって称えたいと思います。

_ 先生の意思で降りられたのなら、本来は何も申し上げることはございません。ただ、「サイボーグ009 天使編」のようにならず、最後まで確固たる物語と彼らの活躍が約束されていたことを惜しげも無く公表されたこと、読者思いの先生らしさにただひたすら嬉しく思います。先生はお辛いかもしれませんが、おかげでファンは最低限のカタルシスは得られ、思いをはせながらも納得して完結を受け入れることが出来るでしょう。でも、せっかくなので、数十年スパンで同人誌でも書き続けられてはいかがでしょうか? 「ファイブスター物語」のように、あらかじめ全部ネタ晴らししておいて、あとは何年も何年も、堂々と商業紙で金もらって同人作品を描いてる人だっているじゃないですか? 線画だって小説だって何だって、ファンにとっては構わないと思いますので、お忙しいのは重々承知してはおりますが、出来れば、できれば歩みは止めないで欲しいなぁ。

_ 秋田書店の都合で切ったのなら、金輪際二度と秋田書店の本は買いません。だって、1巻読んだだけで誰もが「数年はかかるであろう壮大なストーリー」を思い浮かべるに違いないこの手の作品を、こんなところで打ち切るなんて、間違いなく誰の利益にもならないのですから。作家思いでも読者思いでもない、利益追求のみに存在するただの凡庸な出版社、それだけのことです。ただ、結局巡り巡って、「大長編活劇のたまご」を手放した自分達がきっと一番損をするのです。その時になって、改めて思い知ればいいだけです。あえて悪いとは言いませんが、良いとは決して言えません。

_ あ、もちろん佐渡川先生の本だけは別枠ね。何でもいいから創作活動は思う存分続けてくださいませ。てか、律儀そうな方なので、描かせてもらった恩義も感じていらっしゃるだろうとは思いますが、「シャカリキ!」の曽田先生みたいに、別の出版社の雑誌に移籍してみてもいいのでは? もう既に、間違いなく一流の作家さんなのですから。

_ ああ、返す返すも、もったいない…


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