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さらしものな日記

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2009-04-05 [J] 我慢できずに観てしまったのですが…

_ やっぱり不安になってしまったので、結局最後まで観てしまった「ガンダムダブルオー」。

一週間経った結果として、私は今まで買い揃えていたBlu−rayDiscを全部売り払ってしまいました。

_ (ここからはネタバレになるでしょうか)

何故我慢できなかったのか。

第23話予告で、Oガンダムが動いている場面を見てしまったからです。

とても小さな期待と、とても大きな不安。

何故かこういうときは、不安の方が当たってしまいます。

_ 実は、セカンドシーズン当初から、Oガンダムが最後の切り札では? と妄想していました。刹那の憧れだったんでしょ?

また終盤では、リボンズ=アルマークとはわかりあえる形で物語の幕が降りるのでは? と思っていました。GN粒子の可能性がそこまであるのなら、人の対立も解消できるのでは? と。

…どちらも、見事に打ち破られてしまいました。

_ リボンズは最後まで考えを変えることはなく、リボンズの操ったOガンダムは打ち倒されてしまいました。

しかも「人をそうやって見下すことしか」なんて、どこかで聞いたような台詞をふっかけられながら。

妄想はまさかの「エクシア復活」という形で砕かれ、リボンズの手によっては、幕が「降りませんでした」。

_ これぞ新世代のガンダム、と素直に喜ぶことができないのは、頭が固いからでしょうか?

_ 懐古主義と笑えばいいさ。

でも、Oガンダムが明らかに大河原邦男御大の生み出した初代ガンダムデザインから派生したもの(てか、はっきりいってわざとなぞったんでしょ?)であり、リボンズ=アルマークの声をあてる人が初代ガンダムの主人公だった人でした。

私にとっては憧れの主人公であり、憧れのメカでした。だから、新世代の物語でも、このメカか、この人が最後を華々しく飾るものと思っていました。

戦いの中で急速に研ぎ澄まされていくニュータイプの力。そして大事な女性の命と引き換えに、人がわかりあえると気付く。

MSは著しい発展を遂げ、人の意思をも体現する力を持ち、人々に奇跡をみせることで、最大のライバルをも包み込んでいく。

アムロとシャアの物語で描かれたこの2点を、新世紀でも実現してくれるのではないかと、期待していました。もちろん、それらはアクセント、おまけとしてだろう、とは思っていましたが、きっと私は、良い形で「だからこのメカだったのか!」もしくは「この人が未来を切り開く鍵だったのか!」と、驚かせて欲しかったのでしょうね。

でも、その人は「ラスボスにふさわしい、優良種としての傲慢な態度」を貫き、そのMSは「その人が操るにふさわしい、悪の象徴としてのラスボス」として扱われました。

今思えば、こっちを想像してた人の方が多かったのかもしれませんね。私の読みが甘すぎたのかもしれません。

_ …もう、カッコつけずに言おう。

あんまりだよ。

おっさんにとっては、ガンダムを倒すのはシャアのジオング。しかも相打ちなんだよ。正義の象徴ともちょっと違うけど、少なくとも悪の象徴じゃないんだよ。

そして、倒された後も、最後の切り札コアファイターとして、アムロをア・バオア・クーから脱出させたんだよ。

「機動戦士ガンダム」のラストシーンにみんなが感動したのは、決して「ニュータイプの力」が彼を導いたからだけじゃないんだよ。

「機動戦士ガンダムダブルオー」の刹那xエクシアと同じくらい、大事な関係だったんだよ。

それを、「アムロ」を乗せた「ガンダム」を、世界観のつながらない、「新世代主人公」を乗せた「新世代ガンダム」が打ち砕くなんて…

「ファンサービス」のつもり? それとも「初代ガンダムを超えた」とでも?

どっちにしても、こういうやり方で注目を集めるのは汚いと思うんですが。

「今までのガンダムを知らない」という台詞を、常日頃から言い訳のように使ってきた監督ですが、知らないなら何してもいいんですか?

本当に発言どおり前作までを研究していないとしたら、それはそれで著作物を創作するものとしては大きな恥だと思うのですが。

それに、こっそり研究したのか、それとも「今までのガンダムを知っている」スタッフのしわざか、物語のあちこちでデジャヴを感じたのですが。

YouTube投稿用のMADビデオ作ってるんじゃないんだから、プロなら節度ある物語作りをして欲しかった。笑えないし、感動もしないよ、これじゃあ。

_ …多分ね、古谷徹さんは満足だったと思うんですよ。久々にテレビでガンダムに乗っての、素晴らしい熱演でしたよ。悪役も麗しいお声で難なくこなされるんですからね。

でもね、命を救われた刹那ですら一切ためらわない悪の象徴として扱うのなら、ファーストシーズン最初の、あの神々しいまでの輝きを放つOガンダムは何だったの? あれが、あんな美しい扱いが無ければ、ここまで悲しい気分にならなかったんです。

_ はぁ、もう少し冷静になって考えても…

・ルイスはかたきをとった上で、サジと再び手を携えることができた。人間だから? そして刹那とリボンズ=アルマークとは「わかりあえなかった」。イノベイターだから? アニューとやらはロックオン弟と「わかりあえた」んでしょ? ラスボスだから? じゃあやっぱり都合の悪いやつはルイスがかたきをとったように問答無用に成敗しちゃえばいいってこと? で、そんな互いの利害関係に対して調停も調整もせず、感情的にも憎しみが憎しみを呼び、その結果次々と勃発する戦闘行為に、ソレスタルビーイングは「事後処理」ばかり続けていくの? それが戦争根絶? 人類滅亡の間違いでは?

・大量のMSの動きを止めたトライアルシステムは、イノベイターだったら知っていたのでは? てか、ヴェーダを掌握した時点で、イノベイター側がこのシステムに警戒していてもおかしくないのでは? リボンズがヴェーダを掌握した時点で、止まってたスローネは動いたじゃん。そんなこと知ってるだろうに、まったく無警戒だったのが不思議。しかも、それでいてラス前ボスはヴェーダの管理外だったし。やっぱわかってんじゃん。

・刹那の成長のために犠牲になった人が多過ぎ。亡くなったとかそういうのじゃなくて。誰が要らないって、グラハム程要らない人はいないでしょ? 彼の物語は完全に劇中劇、サイドストーリー、MSVのジョニーライデンの範疇ですよね。「変わる」ことがテーマだとしたら、憧れに向かってという姿勢ではなく、あまりにも「変わらない」人が多過ぎて苛立った刹那が「あんな人達にはなりたくない」と思って変わっていったっていうのは、随分と後ろ向きですよね。それに、仕方ないのかもしれませんが、「変われなかった人」には価値が無い、という結論とも取れるわけで、それはそれで寂しいような。あと、マリナ姫はセカンドシーズンには不要だったと思う。もしくは、セカンドシーズン開始時にはもっとたくましくなっていて、政治の方で世界をかき乱して欲しかった。何もかもが終わってお膳立てが整ってから国家元首に返り咲きだなんて、あの乱世を乗り切ったリリーナ様とは格が違いますね、残念ながら。

・「嘘をつくために、それまでに出来るだけ多くの真実を積み上げる」というのは、バイファムの最終回に感動した私の、物語を作る上での、目指す頂上のひとつなのですが、この点は合格点。だけど、ファーストシーズンで既に「トライアルシステム」と「トランザム」という形でその嘘をついてしまったのが、セカンドシーズンの不幸を招いたと思う。許せるのはトライアルシステムまでで、「トランザムはオリジナル太陽炉を研究した結果として生み出されたオーライザーがあって初めて動作しうる、イオリアの計画を超えた究極の状態」くらいのハッタリが欲しかった。だってセカンドシーズンはトランザム大安売り状態だったんですから。第一、整備してるイアンが知らないシステムなんて、技術屋としてどう考えてもおかしいでしょ? あれだけ動きが変わるんだから、整備してても何らかの機体のマージンの大きさが読み取れるはず。それに気付かないなんて、プログラムだったらそれはある種デバッグ不完全でしょ? 自分の扱う機体を隅から隅まで把握していないなんて、技術屋としては失格です。私だったら、イオリアの仕組んだのが「トライアルシステム」として、機能は知っていたが使い方をしらなかったティエリアが、ヴェーダにより解除されたトライアルシステムを発動させて危機脱出、くらいの方が面白かったと思うのに。そうすると、トランザムとイオリアの関係が切れるって? むしろイオリアの計画を超えたところまで持っていった方が話としては面白かったのでは? ファーストシーズンでヴェーダと決別したところまでは面白かったのに、最後はヴェーダ奪還だなんて… なんか固執しすぎ。変われてないじゃん。絶対ヴェーダを壊して終わり、だと思ったのになぁ。

・ハッピーエンド。あれだけ大口叩いておいて、ちっとも罪を背負っている感じがしない。むしろ「自分達で世界を変えられる」と調子付いた分たちが悪い。ファーストシーズンのラストシーンは最高だったのに…

・レバーを引いたのは鉄郎か? エメラルダスも草葉の陰で泣いてるよ。

と、わんさかある複雑な思いも、この一言で全部帳消し。考えるのもバカらしくなりました。

「映画化決定」。

_ そんな中ふと思うと、せめてラストが「ジオング」だったら、カタルシスがプラスの方に傾いたかもしれないなぁ。

…もういい。おっさんは「ガンダム戦記」へ逃げよう。期待してますよ?

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