上映が終わった瞬間、思わず大きなため息をひとつ、ゆっくりつきました。
素晴らしい、以上の言葉が見つけられないので、やっぱりただ一言。素晴らしい!
きっと出るであろうBlu−rayディスク版まで、パンフレットを見続けるか、それとももう一度くらいは映画館へ足を運ぶべきか…
_ しかし、あまりにもタイムリーというか、現実に寄り添いすぎているというか、ドラマかドキュメンタリーか、ノンフィクションか空想の産物か、よくわからなくなってしまいました。リアリティをつきつめると、かえってファンタジーになってしまうというか、なんとも不思議な感覚に見舞われてしまっています。「リーマンブラザーズ破綻はフィクションだったのか?」とか、「今回の世界金融危機はもしかして日本が引き金だったのか?」とか… こんなことを感じるなんて、実におかしな気分です。舌足らずでうまく感想が書けていないのは、いつもと同じでしょうか? でも、うまく思えない、という感覚は、非常に珍しく思っています。
_ 題材が題材だけに、残念ながらきっと万人に受け入れられるということはないであろう「ハゲタカ」。だけど、やはり視聴者の感じた通り当時のテレビドラマの賞を総ナメした「ハゲタカ」。当然起こる「続編、というか『ハゲタカ版現在』という空間」の製作への期待。そして、映画館で見回すと、思ったとおり観客層の年齢はかなり上だった「ハゲタカ劇場版」。興味のない人にはとてもお勧めすることはできませんが、テレビドラマ版に最後まで付き合った方は、少なくとも「映画館で劇場版のラストを見届ける、つまりハゲタカ版の現在にたどり着く義務がある」とさえ思えてなりません。テレビドラマ版で止まってはいけません。もう一歩踏み出す必要があるのです。もちろん映画館で1800円払え、とは言いません。後のレンタルDVDでもテレビ放送ででも構いません。誰もが思っていたけど口にできなかった、「2007年の後の、『ハゲタカ』という物語上の日本における、2009年にはじきだされるべきひとつの日本の答え」が、鷲津さんがとてもスマートに、そして芝野さんがとても熱く、それぞれの立場で語ってくれました。あとは、その答えを胸に、今日の、明日の日本を、一歩ずつでも、前に進めていかなければなりません。一旦停止しても構いません。振り返っても構いません。でも、いつまでもそこに立ち止まることは、決して許されないのです。それが、たとえ不幸な結末を招いたとしても…
_ とかなんとか言いながら、やっと発売されるWii(クロ)の注文ボタンをポチッと押す私。いいじゃないですか、日本のゲーム機だし。いえいえ、前から宣言している通り、OutRun Online Arcadeを日本で配信さえすれば、今すぐにでも買い戻しますよ、XBOX360だって。