銀河漂流バイファム
私家版追加シナリオ集
第21.5話


<アバンタイトル>

ペンチ 「…ほんとなの、フレッド?」
フレッド「え?」
ロディ 「どうしたんだ、軍曹?」
ケンツ 「無くなってる! 三つ作ったのに、一個しか無いぞ!」
マキ  「いただき!」
スコット「ちょ、ちょっと? それは…」
クレア 「スコット、あなたまさか今まで…!?」

<オープニング>

 「はろーばいふぁむ」を思い出してください。
 いえ、別に「おめがのとびら」でもいいんですけど。

<Aパート>

[ナレーション]
スコット「僕達がベルウィック星の宇宙ステーションを離れてから
     2週間。今のところ順調だ。変な力線が出ている、って
     カチュアが言っていたけど、肩凝りにはいいんじゃない
     かなって、今はそう思うことにしている。これで少しは
     僕の疲れもとれればいいんだけど… おっと、これから
     大事な用があるんだった! 急がなきゃ!」

昨日の友は今日の敵?
ライバルを蹴散らせ!

[ブリッジ]
フレッド「スコットさん、行っちゃったね?」
ペンチ 「何を慌ててたのかしら?」
フレッド「トイレにでも行きたくなっちゃったのかな?」
ペンチ 「もう、フレッドったら!」
フレッド「えへへ、ごめん。あ、まさか…」
ペンチ 「どうかしたの?」
フレッド「そうだね、まさか気付かないよね。でも…」
ペンチ 「?」

[格納庫脇]
バーツ 「あーあ、RVの整備ってのも面倒だよなぁ!」
ロディ 「ほーんと。やらなきゃいけない事がたくさんあるしな。
     喜んでやってるケンツは大したもんだ」
バーツ 「全くだ。あれ? その軍曹は?」
ロディ 「今日は風呂掃除の当番なんだってさ」
バーツ 「へぇ、あいつが他の事で役に立つ時もあるんだな」
ロディ 「ひどいなぁ。でも言えてるかも」
バーツ 「ロディもそう思うだろ? でも、今日はいて欲しかった
     なぁ」
ロディ 「マキは?」
バーツ 「知らねぇ」
ロディ 「それじゃあ、二人だけだから言うけどさ、なあバーツ、
     さっきの話…」
バーツ 「ああ、わかってるよ。でもそれ、ホントなんだろーな?」
ロディ 「間違いない、確かにあるんだって、絶対に!」
バーツ 「おいおい、そう怒鳴るなよ。じゃあ、こうしよーぜ! 
     シミュレーターで勝った方が先に頂くってのはどうだ?」
ロディ 「それがいい。よぉし、負けないからな!」
バーツ 「あっはは! 結構結構!」

[女子の部屋]
クレア 「夕べから、なんか変だと思わない?」
マキ  「誰が?」
クレア 「スコットよ! 何だかコソコソしてて」
カチュア「そういえば…」
マキ  「どうしたの、カチュア?」
カチュア「スコットさん、今朝早くキッチンルームに行くのを見たん
     です」
クレア 「やっぱり怪しいわね…」
マキ  「どうすんの、クレア?」
クレア 「とにかく、まずは出方を待つしかないわね」
カチュア「私もそう思います」

[ブリッジ]
ペンチ 「さっきからどうしたの?」
フレッド「な、何でもないよ」
ペンチ 「でも、何だかそわそわしてる」
フレッド「そんなことないってば」
ペンチ 「ならいいんだけど。この前貸してあげた本、どうだった?」
フレッド「え、あ、あの、おもしろかったよ?」
ペンチ 「そうでしょう? やっぱり『パティの贈り物』って素敵!
     お話の中でのマイケルもプレゼントもらって、とっても
     嬉しそうなんだもの!」
フレッド「ドキッ! そ、そうか、あの本の話か…」
ペンチ 「どうしたの?」
フレッド「い、いや、何でもないよ」
ペンチ 「やっぱりどこか変よ、フレッド?」
フレッド「何でもないったら。さあ、仕事しなきゃ」
ペンチ 「…」

[廊下]
クレア 「あ、スコット、あのね…」
スコット「ク、クレア? い、いや、僕は、その、何でもないんだ、
     あははっ! 忙しいから、これでっ!」
クレア 「ちょ、ちょっと、スコットってば! 行っちゃった」
マキ  「こりゃますます怪しいよ? うちのキャップ、ぜ〜んぶ
     顔に出るからね、あからさまに」
クレア 「ちょっと、後をつけてみるわ」
マキ  「あ、アタイも! なんか面白そーだし!」

[風呂場]
シャロン「何でオレが風呂掃除なんかしなきゃいけねーんだよ!?」
ケンツ 「手伝ってくれたっていいだろっ!?」
シャロン「オレ洗濯あるんだけどなぁ」
ケンツ 「嘘つけ! 一時間位前に洗ってたじゃねーか」
シャロン「あれは洗ってただけジャン? 今度は乾燥機に入れなきゃ」
ケンツ 「何だよお前、あれからまだほったらかしてんのかよっ!?」
シャロン「カタいこというなって。そのうちすっから」
ケンツ 「ったく、なんつー女だ…」
シャロン「んなこと言うなら、こんなのオマエ一人でやりゃーいー
     ジャン?」
ケンツ 「お前こそそんな事言うんだったら、アレいらないんだな?」
シャロン「なーに言ってんだケンツ、オレだって手伝ったジャンか?!」
ケンツ 「よくゆーよ。お前のせいで後片づけ大変だったんだからな!」
シャロン「わーってるよ。わりーわりー」
ケンツ 「さーて、さっさと片づけてキッチンルームへ行こうぜ!」
シャロン「ちょーしいーんだから、コイツ」

[ブリッジ]
フレッド「嫌な予感がしてきたなぁ」
ペンチ 「本当にどうしたの?」
フレッド「僕の予感って、大体悪い方に当たるんだ。やっぱり気に
     なる」
ペンチ 「ちょっとフレッド!?」
フレッド「そ、そうだ! ねえペンチ、のどが渇かない?」
ペンチ 「?」
フレッド「何か飲みに行こう! うん、そうしよう!!」
ペンチ 「え、い、いいけど… ボギー、ここ、お願いね?」
ボギー 「わかりました」
ペンチ 「じゃあ、行きましょう?」
フレッド「うん。 …まだ大丈夫ならいいけど」
ペンチ 「何か言った?」
フレッド「いや、何も言ってないよ!?」
ペンチ 「ねえ、フレッド?」
フレッド「な、何?」
ペンチ 「今日のフレッドって絶対変だと思うわ? ううん、昨日
     キッチンルームでお話したときから」
フレッド「そ、そんなことないよ!」
ペンチ 「…」

[廊下]
クレア 「ここ、キッチンルームへ続く廊下よね?」
マキ  「そうだけど… 絶対楽しそうね、あれ」
クレア 「そうね。あんな顔してるんだもん、何かとても楽しい事
     があるに違いないわ!」
マキ  「ねえクレア、あんた随分怖い顔してるんだけど?」
クレア 「わかる? スコットの楽しみはあたしの楽しみでもある
     のよ!? ううん、そうでなくちゃいけないんだわ!!」
マキ  「…」
クレア 「あ、やっぱりキッチンルームに入っていく!」
マキ  「随分コソコソしちゃって。あれで隠れてるつもりかなぁ?」
クレア 「待って、マキ!」
マキ  「あ、もう少し様子を見るんだっけ?」
クレア 「しっぽを掴むまで、もう少し見ていましょう」
マキ  「現行犯逮捕ってとこだね!」

[菜園]
ジミー 「…無い、無くなってる」
カチュア「どうしたの、ジミー? 何が無くなっているの?」
ジミー 「…みんなに聞いてくる」
カチュア「ジミー?」

[キッチンルーム]
バーツ 「さすがだなぁ、ロディ。やっぱエースはお前に決まりだ!」
ロディ 「そんなことはないさ。でも、アレは俺のもんだからな」
バーツ 「へいへい。でもよぉ、ちょっとくらいは… 誰だ!?」
ロディ 「おい、スコット、こんなところで何やってるんだ?」
スコット「げっ! ロ、ロディ! バーツも!」
バーツ 「ははぁ、さてはスコットも気づいたんだな?」
ロディ 「やっぱりみんな考える事は一緒なんだよな」
スコット「いや、僕は、あの…」
ケンツ 「あーっ!!」
シャロン「みんなそこでなーにやってんだよ!」
スコット「なんだなんだ? あ、ペンチ、フレッド!?」
ペンチ 「ちょっとボギーに任せてきちゃったんです。レーダーに
     何も映ってなかったし」
フレッド「のどが渇いたんだけど… あっ!」
クレア 「やっぱり一人だけで楽しいことをしてたのね?」
スコット「ク、クレアまで!?」
マキ  「ずっと後をつけてたんだから。さあ、どーゆーことか、
     ちゃんと説明してよ?」
スコット「なんでぇ? どうしてみんなここに来るんだぁ!?」
ジミー 「あれ、みんな集まってる…」
カチュア「ちょうどよかった。みんな、ジミーが…」
ペンチ 「スコットさん、その手にしているものって」
スコット「あ、ああ、いや、こ、これは、その…」

<アイキャッチ>

 走っているマキ。
 同じく走っているバーツ。
 後ろから飛び付くフレッド。
 マキとバーツがつまみぐいしているものは…

<Bパート>

[キッチンルーム]
クレア・マキ・カチュア「カップケーキ?」
ロディ 「あれ? クレア達、知らなかったのか?」
クレア 「ええ。ロディやバーツは知ってたの?」
バーツ 「まあな。冷蔵庫にあっただろ?[焼酎]って書いてある
     箱が。あれに三つ入ってたのを、たまたまロディが見つ
     けたってわけさ」
ペンチ 「そんな箱の中、見るわけないわ、私達」
フレッド「あれは僕達のアイデアなんだ! な、ケンツ!?」
ケンツ 「へへん! どーだ参ったか! カップケーキ作ったのも
     俺達なんだぜ!」
フレッド「ペンチが作ってくれたエプロンつけて、頑張ったんだ!」
マキ  「うえっ、アンタらが? 何だかまずそう、これ」
シャロン「オレも手伝ったんだから… やっぱ怪しいかな、こりゃ!
     ンクククク!」
バーツ 「それで昨日はシチューだけだったってわけか!」
ロディ 「133食の時のやつだっけ? まだ残ってたんだよな?」
ペンチ 「(シカト)…ほんとなの、フレッド?」
フレッド「え?」
ペンチ 「あの焼酎の箱の中にカップケーキ隠したの? 私にうそ
     ついたの? 昨日聞いた時は焼酎だって…」
フレッド「あ、え、あ、いや、僕じゃないよ! ケンツ一人で入れ
     たんだ!」
ケンツ 「な、何だよフレッド! この裏切り者! あーっ!!」
ロディ 「どうしたんだ、軍曹?」
ケンツ 「無くなってる! 三つ作ったのに、一個しか無いぞ!」
フレッド「えーっ! ケンツ、ほんとに!?」
シャロン「ほんとだ、こりゃまずいゼ、ケンツ? オレのしかない
     ジャン?」
ケンツ 「何でそうなるんだよっ!?」
マキ  「どうせ味もまずいんでしょ? 別にいいんじゃないの?」
スコット「いやあ、なかなかどうして、結構おいしかったよ!」
クレア 「スコット、今、なんて…」
スコット「し、しまったっ!!」
マキ  「ホントかなぁ? どれどれ…」
ジミー 「あっ!」
マキ  「いただきっ!」
スコット「ちょ、ちょっと? それは…」

[落書き専用廊下]
マルロ 「きっとさくしゃはぼくたちのことわすれてるんだよ?」
ルチーナ「そーよきっとあたしたちのことがきらいでほったらかし
     にしてるのよ。さくしゃってなに?」
マルロ 「ルチーナしらないの? このおはなしをかいてるひとの
     ことだよ」
ルチーナ「じゃあさくしゃっていうなまえなの?」
マルロ 「ちがうよ!」
ルチーナ「それじゃあだれよ! だれのこと?」
マルロ 「…ぼくしーらないっと」

[キッチンルーム]
クレア 「スコット、あなたまさか今まで…!?」
スコット「あ、いや、今まで君に黙ってたわけじゃなくて、昨日の
     夕方のどが渇いたので、あの、冷蔵庫を開けたら、その、
     偶然見つけて…」
ロディ 「焼酎を呑むつもりだったのか? どうした、カチュア?」
カチュア「ロディ、ジミーが…」 バーツ 「きたねーぞ、マキ!」
マキ  「こんなの早いもん勝ちじゃない」
フレッド「返してよ! とにかく返してったら!」
マキ  「大丈夫、ちゃんと味見してあげるって!」
クレア 「ちゃんと説明してよ、スコット!」
スコット「こ、これは、前の兵隊さんが残したものかなって思って、
     その、それにしては日にちが経ち過ぎてるんで、あの、
     僕が処分してしまおうかなぁって… クレア?」
ケンツ 「ひっでーなぁ! せっかく俺達が一所懸命作ったのに!
     ちょ、ちょっと、押すなよクレア!」
クレア 「どうしてあなたはいつもそうなの!? あなたの幸せは
     あたしの幸せのはずでしょう? バースディパーティー
     だってみんなでしてあげたじゃないの! その時ケーキ
     を食べたからそれでいいじゃない! それを、キッチン
     ルームでお食事作ることなんかほとんどないのに、たま
     たまのどが渇いたっていう偶然だけで冷蔵庫からカップ
     ケーキを見つけるなんて、それもあたしには教えてくれ
     ないなんて、ひどいわ、スコット!!」
スコット「い、いや、その、何か怖いよ、クレアの目! だけど、
     僕が食べたのは一つだけだぞ!?」
ケンツ 「こ、怖ぇなぁ… 俺の出る幕じゃねーな、こりゃ」
ロディ 「よく聞こえないよ。なんて言ったの?」
カチュア「あのね、ロディ、ジミーが」
バーツ 「なあマキちょっとだけ、な? ちょこっとわけてくれよ?」
マキ  「ダーメ! これはアタイのもんなの!」
ロディ 「ちょっと待った! みんな黙っててくれ! カチュア、
     話して」
カチュア「あ、あのう… ジミーが何か言いたいことがあるって」
ジミー 「僕の育ててた、チェリーが無くなってるんだ… そんな
     にたくさん、出来てたわけじゃないんだけど… 確かに
     実がなってたんだ…」
ロディ 「そんなもんジェイナスで作れるのか?」
ジミー 「ううん、最初からあったみたい…」
カチュア「でもすごいわ、ジミー」
バーツ 「あの菜園、ジミー専用農場と化してるもんなぁ」
ペンチ 「でも、誰が取ったのかしら?」
ケンツ 「ああ、あれか? あれならカップケーキに使ったぞ?
     ちょうどドレンチェリーが切れてたからなぁ」
ジミー 「…えっ?」
シャロン「アレってさぁ、うまかったからケーキ以外にもオレ達で
     食っちまったけどな、ンククク!」
ケンツ 「お前が失敗ばっかするのがいけないんじゃねーか!?」
シャロン「オマエだってメチャクチャやってたジャンか!!」
ロディ 「待てよ? じゃあ、ジミーに黙って取ったのか?」
ケンツ 「だからなんで俺にばっか言うんだよ!? いいんだろ?
     食べ物作るのにあの菜園から取って来ても!?」
ジミー 「…別にいいけど。でも、当分作れないと思う」
ケンツ 「な? それよりカップケーキの方だよ! ジミーもああ
     言ってるし、今を逃したらしばらく食えねーぞ!」
カチュア「こうすればどうかしら? 何か競技を行なって優勝した
     人が賞品としてカップケーキを頂くことにするの」
バーツ 「おお、いつもながら唐突だけど、そいつは名案だなっ! 
     じゃあ、言い出したカチュアが、競技やらルールやらを
     決めればいいんじゃねーか!?」
カチュア「わ、私… ボギーと相談してきます」
ロディ 「お、おい、バーツ」
バーツ 「へへぇ、これでさっきのシミュレーターのは無しだなぁ、
     エースパイロットさんよぉ。みんなはどうだ?」
ケンツ 「何だよそれ! 作ったのは俺達だぞ!!」
シャロン「オレだって権利あるゼ!?」
フレッド「そうだよ! 兄さん達、後から来てずるいよ!」
ロディ 「だけどせっかくジミーが大切に育ててたチェリーを勝手
     に使ったのはお前たちだろう?」
フレッド「そりゃ、そうだけど…」
カチュア「ジミーはどうなの?」
ジミー 「別に構わないけど…」
ロディ 「ジミーがそう言うんだ。しょうがないか。みんなも従う
     しかないだろうな、多分」
バーツ 「じゃあ決定だな!? これでカップケーキのチャンスが
     俺にも… ウヒヒ!」
クレア 「何だか勝手に話が進んでいくわね? スコットに対して
     ヒステリーおこしただけだったわ、私」
ペンチ 「私達って、作者からすると動かし辛いキャラクターなの
     かしら? それにしても、フレッド…」
マキ  「ま、しゃあないか。はい、キャップ。預かっといて」
スコット「こ、これはっ! 千載一遇のチャンスだ!! こ、この
     まま食べるなんてのは…」
マキ  「冗談でしょうね、キャップ!?」
スコット「あはは! そうに決まってるじゃないか! もちろん僕
     もちゃんとカチュアの決めた競技に出て…」
バーツ 「駄目だ! 一個食べてるだろっ!」
スコット「そ、そんなぁ…」
ロディ 「どんな種目だって負けないさ、絶対に!」
フレッド「僕だって負けないからね、兄さん!」

[ナレーション]
スコット「大変なことになってしまった! まさかカップケーキの
     一つや二つでこんな大騒動… 食べ物の恨みは恐ろしい」
クレア 「よく言うわよ、自分だけ食べておいて」
スコット「…ま、まあ、とにかく、敵勢力圏内真っ只中で、僕達は
     カップケーキという栄冠を手にするために、戦いを繰り
     広げなければならなくなった。僕達に明日はあるのか!?
     いや、生き延びなければ。生きて、カップケーキを食べ
     なければいけないんだ!」
バーツ 「だから駄目だって、お前は!」

<次回予告>

カップケーキ争奪!?
白熱のサバイバルレース!


<エンディング>

 「ねばーぎぶあっぷ」を思い出してください。
 はい、「どんとくらい」でもいいですよ?
 (↑平仮名で書くとオヤジみたい)

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