銀河漂流バイファム13
へなちょこストーリーダイジェスト
第9話


「しかし、ホルテさんと結婚するとして、結納金とかはどうすれば
 いいんだろうか? カチュアが知ってくれてるとよかったのだが、
 それを彼女に求めるのは酷というものだ。逆に僕が体験すれば、
 教えてあげればいいんだ。彼女の役に立ってあげられるとしたら、
 なんて素晴らしいことだろう! そういえば、サーカスにはまだ
 入団できるのかな?」

ヤギと人質?
ふってわいたお食事会

「こんなことはあってはいけないことだわ!」
 監禁室とはいえ、単なるジェイナス居住区の一室。
 とりあえず、サーカスのスカウトラピスのメンバーはここに閉じ
込められることになる。
 ホルテは胸の前で手を握りしめ、その言葉に重みを持たせた。
「この艦にはあの子達だけしかいないのよ! 何としてもサーカス
に入れなければ、あの子達は食いぶちに困ってしまうわ! だけど
あのスコット君って言ったかしら? 彼だけは私の力で何とかして
あげてもいいんだけど…」
「アン=ホルテ、難民は皆平等に扱わなければ… まさか!?」
「そう、そのまさかよ!」
 自信たっぷりのホルテに、確認の意味を込めてラピスの掟を復唱
する。
「ラピス難民保護規約第48条3項。ラピス家族会員については、
たとえ難民として収容されていても、その取り扱いを免除される」
「そう、サーカスに売り飛ばされずに済むのよ!?」
 …ついに、あんな少年にまで手を出すなんて!
 やはりこの人についていくべきではないのかもしれないわ!
 何だかんだと大人の考えで頭の痛いルービン。
 そこへ…
「食事だぞ! …これあぶねーよ! 凶器になるんだぜ!?」
「フォークからこれに変えさせたのはあなたなのよ?」
 ごちゃごちゃ言いながら、クレアとケンツが部屋の外から現れた。
 食事を持ってきたのである。
「ありがとう。でもこれ、どうやって使うのかしら?」
 2本の木の棒を右手に持ったり左手に持ったり…
 ホルテもルービンも首を傾げるばかり。
 もう面倒になったのか、ポイッと箸を捨てる2人。
「これなら手の方がいいわ?」
 あんた、姑かい!?
 クレアでなくともそう思う程、勘にさわる言い方である。
「こんなに荒れて… かわいそうに、苦労人の手ね…」
 上流階級独特の話ぶりで、頭ごなしに「苦労人」にさせられては
クレアもたまったものではない。
 いちいちこんな口調で話されてはたまらない。
「じゃあ、これで…」
 さっさと監禁室を出ようとしたクレアを、ホルテが引き留める。
「クレア、あなたとは決着をつけたいの!」
 淑女の冷たい瞳がクレアの胸を一息に、だがこれ以上はない程、
鋭く突き刺す。
「あたしと彼の愛を信じて欲しいのよ!」
「…わかりました。キャプテンに伝えます」
 苛立つ気持ちは最高潮、ぐっと抑えつつクレアは部屋を後にした。

「スコット、話があるんだけど」
 ブリッジに戻ったクレア、仕方なく伝言を伝えることにする。
「ま、また何か問題かい?」
「…大問題よ!」
 クレアが目を釣り上げているのは、あまりにこの問題に無頓着な
態度を示すスコットに業を煮やしたからである。
 自然に口調もきつく、冷たくなる。
「ねえ、彼女とあたし、一体いつまで二またかけるつもりなの?」
「えっ!? いや、僕はそんなことは…」
「今のままじゃあたし達、みんないけないわ!」
 しどろもどろのスコットに、クレアは冷静に言い放つ。
「彼女もう一度話を聞いてほしいって」
「ホルテさんが?」
 もしかすると、最後の最後のお話なのかも!
 そうさ! ガールスカウト時代の幼なじみが何だってんだ!
 などなど、ちょっぴりうかれている様子。
 そういう時にこそカウンターパンチが効く。
「ねえ、あたしも一緒にいっていい!?」
 その言葉に顔面蒼白の我らがキャップ。
 きっちりカタをつけなきゃ… でも、泥沼は避けたいし…
「当事者として、あたしも話を聞きたいわ。あたしがいると邪魔?」
「じゃ、邪魔だなんて、そんな…」
 あの鋭く放たれた眼光を見て、断れるはずのないスコットだった。

「目を覚ましたら呼んでね?」
「はーい!」
 元気に叫ぶマルロ&ルチーナ。
 その声を背に、ペンチは食堂からキッチンに入る。
「ロディもバーツも泣き出すと壁が崩れるかんなぁ…」
「シャロン、手伝うわ?」
「いいよ。もう終わりだから」
 キッチンではシャロンがミルクを作っていた。
 確かにほ乳ビンにはもうなみなみとミルクが入っていた。
 ふと、興味本位でペンチが訊ねる。
「ねえ、ヤギのミルクっておいしいの?」
「ああ、結構イケるぜ!? なんつーかこう、まったりとしていて
コクがあって、キレてるんだけどたるいっつーか…」
「何を言ってるのかわからないけど…」
「なんだよ! オレの説明がわかんねーのか?」
「そういうわけだけど…」
「あのなぁ、いーたいほーだい言ってんじゃねーよ!」
 そこまで言ってペンチに突っかかったシャロンだったが…
「あっ!」
 案の定、避けたペンチの手に当たり、ほ乳ビンが倒れてしまった。
 どちらが倒したのかわからない、微妙な倒れ方だったりする。
「あーっ! このヤローっ! 何すんだよっ!!」
 ジェイナスの一匹狼シャロンが猛烈に抗議した。
「あなたがよそ見するからじゃない!」
 クルーきっての魔性の女ペンチも負けてはいない。
「自分のやったコト棚にあげてよく言うゼ!」
「どっちのことよ! 最近赤ちゃん赤ちゃんって、全然仕事をして
ないじゃない!?」
「元々大してやってねーからいいじゃんかよぉ!」
「そういうこと言ってるから信用を失うのよ!」
「そーゆーお前だって当番でもねーのにチビども見に来てるジャン!?」
「そ、それは、あなたの育児が心配だからよ!」
「よくゆーぜ! 何だかんだ言ってよぉ、サボりの口実にあいつら
使うんじゃねーよ!」
「そんなんじゃないわよ!」
「なーにがそんなんじゃねーんだよ!?」
「パンツもはかずに眠れる人にはサボタージュと定期巡回の区別が
つかないんだわ!」
「ヘソ出して寝てるオマエに言われる筋合いはねーよっ!!」
「ねぇ、ないてるよぉ!? しょくどうひびはいってるよ!?」
「あかちゃん、ないてるよぉ!? テーブルこわれちゃったよ!?」
 あまりにうるさい&破壊力抜群のツインJrが泣いていることを
報告しにやってきたマルロとルチーナが見たものは、まさに修羅場
だった。

 ジェイナス内菜園。別名「ジミー・パラダイス」。
「ちぇっ、なんでオレが… でも、まあ、あいつらのためだかんな、
しゃーねーか」
 ぶつくさ言いながらも一所懸命ヤギの乳しぼりをするシャロン。
 だが、イマイチ乳の出が悪いわ顔にかかるわで、うまくいかない。
「もっといいとこで乳しぼりしようなぁ!」
 イライラを払いのけるため場所を変えようと考えた彼女は、ヤギ
のひもを柱からほどいた。
 その時…
「…何処行くの?」
 農場主の呼び掛けに思わず飛び上がるシャロン。
「ギャッ! な、なんだジミーか。へへん! そんなくらいでひも
を離したりはしねーよ!」
 得意げに胸を張るシャロンだったが、思わぬアクシデントに遭う。
 突然ククトヤギが暴れ出したのだ。
「わわっ! な、何だよいきなり!?」
 しかも、しっかり握っていたはずのひもも途中で切れている。
 いや、食いちぎられている。
 菜園から走り逃げるその後ろ姿で、シャロンはおろかジミーさえ
瞬時にして全てを察した。
「あ! こら! ロディJr! ヤギ食っちゃ駄目なんだぞ!」
 とはいうものの、結構先程の乳絞りが面倒だったシャロン。
 想わず…
「あーもーめんどくせーや! Jr、ヤギ食っちまえ!」
 そう叫びながら追いかける。
 ジミーも追いかける。
「食べちゃ駄目ぇ! メリー!」
 どうやらこのヤギ、メスらしい名前がつけられたようだ。。

 ブリッジでは暇潰しに占いなどやっていたりする。
 マキの占いはそれはもうお墨付きの的中率で、この前などは敵の
出現時間と規模をピタリと当てた。少なくともジェイナスで占いに
関して彼女の右に出るものはいない。
「何なに? ロディは出番が少ないばかりか女運も悪いってさ」
「兄さんバッチリだね?」
「ほっといてくれ!」
 なるほど、よく当たるようだ。
「次は、スコットとホルテさん? えーっと… うわっ、最悪」
「どう最悪か、わかるのか?」
 ロディの問いかけに自信たっぷりに答えるマキ。
「えーっと… キャップの想いが大きくなればなる程彼女は飽きて
来る、でもって、最後は彼女の方から去っていくんだって」
「だな」
 ニヤけるバーツの頭上で、突然ペンチの悲痛な叫び声!
<<誰かぁ、ヤギを止めてぇ!>>
「いっちょ行ってくるか」
「僕も!」
 敵戦艦が近くにいるというのに、そんなに暇なのだろうか?

 監禁室の隣の部屋で、ホルテとクレアの会談が行なわれていた。
 いざ始まってみれば、スコットはかやの外だったのである。
「私に任せておけば、彼のジョークの才能をさらに引き出します!」
 うんうん頷くスコット。
「でも、国際結婚になったら世間の風当たりとか、色々大変なんで
しょ?」
「クレア、だからそれは…」
「私が責任を持って彼の身柄を保護します!」
「でも、あなたとスコットのつながりはジョークの他には何も無い
のでは…」
「ええ、ありません。でも、彼の他の才能を見つける方法はいくら
でもあります」
「ホルテさんと結婚する方が僕のためなんだよ、クレア?」
「どれくらい払えば彼と別れてくれるんですか? 1万ですか? 
2万ですか? それとも10万? 20万? あたしには、そんな
お金はありません!」
「わかります、あなたのその、彼を想う気持ち…」
 要するに会談は平行線なのである。

 その部屋の前の廊下では…
「そっと距離を詰めるんだ」
 ククトヤギ捕獲経験者バーツの指示通り、廊下の両側からヤギを
追いつめるクルー一同。
 ところが、ロディJrがさらに深くメリーのお尻をくわえこんだ。
 歯もないチビに「噛み付かれて」いる割には痛いらしい。
 暴れまくるメリーはバーツめがけて突進する。
「な、なんで俺の方にくるんだよぉ!?」
 赤い服はこんなときに損である。
「うわっ!!」
 バーツと格闘する物音に気付いて、監禁室および隣の部屋から、
ぞろぞろと出てくる面々。
「何だ? 敵か!?」
 出てきたケンツはメリーとご対面、驚いたあまり銃を落とす。
 それを拾い上げるルービン。何やら色々銃の外見を確認している。
「これはあなたには今一つね。うーん… えいっ!」
 叫ぶや否や、ライフル銃は煙と共に消え去り、代わりに手にした
コスモガンをケンツに渡した。
「こ、これは…?」
 しどろもどろのケンツに、ルービンは言葉を付け加える。
「大事にしなさい… その銃はきっとあなたを守ってくれるわ」
 銃が俺を守ってくれる、当たり前じゃんか、そんなこと…
「その銃を持って恥ずかしくない人間になりなさい」
「はぁ?」
 ケンツはひたすら首を傾げるばかり。
 どうやらその銃は、宇宙に4丁しかないらしい。
「それより、赤ちゃんがヤギくわえてるけど…」
 ルービンの指差す先、ノビたバーツと悠然と構えるヤギ。
 紐はもうジミーが持っているので問題ない。
「ジミー、駄目じゃないか!」
 スコットはホルテの手前いいとこ見せようと張り切って振る舞う。
「ぼ、僕じゃないよ…」
 ちらりとジミーが見やるその先には…
「いやあわりーわりー! ヤギもたまには食われたいって思ってさぁ」
「そうは思わないなぁ」
 フレッドがシャロンの意見に対して冷たく言い放つ。
「ホルテさん達もかわいそう… ヤギと同じ生き物なんだから…」
「僕もそう思うよ!」
 フレッドがペンチの意見に対して暖かく賛成する。
「私は今猛烈に熱血感動しています! ちょっと照れるけど。監禁
を解いてくれたら、色々お手伝いします!」
 やけに目頭を熱くするホルテだった。
 この演技に騙されて、彼らは本件を会議にかけることになった。

「うーん、アタイの占いだと、大丈夫みたい」
 カードを見つめるマキに言われては反論の余地はない。
 ロディの主張などは聞いてももらえない。
 ところが、一人だけ反対を訴える者がいた。
「だけど、なあケンツ、お前は反対だよな?」
「わかんねーんだよ。あいつらの手品、結局タネがわかんねーんだ」
「ケンツ…」
 たまには聞いてることにきちんと答えてくれよ…
 頭を抱えるバーツだったが、12対1では勝ち目はなかった。

「パンパカパーン!! ご協力、あ・り・が・とーっ!! ホルテ
さん達の監禁は解かれましたっ!!」
 早速報告するスコット。かつてのジェイナスキャプテンの面影は
その背中にはもはやどこにも残っていない。
「本当なの!? ありがとうスコット! とても嬉しいわーっ!!」
 こちらも負けず劣らずの激しいリアクション。しかも…
「僕も嬉しいですっ!!」
 スコットにそう言わせる程、愛の深さを確かめあう瞬間を与えた
のである。要するに抱きしめたのだ。
 このとき二つの視線が自分と違うところで激しくぶつかり合って
いることに気付く程敏感なスコットではなかった。
「さぁて忙しくなるわよぉ! 今からお食事会を開くの。そうだわ!
スコット、あなたのジョークショーも一緒にやるのよ!! ええ、
それがいいわ! 素晴らしいディナーショーになるわよ!!」
「はぁ?」
 ゾッコンのスコットも、さすがにこの勢いにはおされた。

「ここですけど…」
 スコットに連れられて食堂にやってきたホルテとルービン。
「あ、おばちゃんだ!」
「ねえおばちゃん! いっしょにあそんで!」
「おお、そこのオバハン、オムツ取ってくれよ!」
 ひとのことおばちゃんオバハンって…
「今からディナーショーの準備するから駄目なのよぉ! オホホ!」
 右手は大きく開かれマルロやルチーナ達に振られていたが、左手
は人知れずグッと握り締められていた。
「わぁっ! なにつくんの!?」
「ねえ、なにつくんの!?」
「美味しいヤギ鍋よ!!」
「わーいヤギなべヤギ… ヤギなべ?」
 幼いながらもチビコンビの脳裏に不安がよぎる。
「ジョークよ、ジョーク。美味しいククト料理よ!」
 今の受け答えにある種の感銘を受けながら…
「あ、あの、僕も手伝いましょう… かっ!!」
 男子厨房に入るべし。ジェイナスの掟通りの反応を示すスコット
なのだが、最後の「かっ!!」は疑問形の言い切りではなかった。
 ニコニコしながらキッチンに向かうクレア。右手がやけに赤い。
 それに…
「ほい、キャップ。当番だろ?」
「な、なんだよ! 今日なの?」
 シャロンにバーツJrを渡されてしまう。
 まいったなぁ… 何もこんな時に…
 いや、ホルテさんと結婚して暖かい家庭を作るにはこれくらいの
ことができなければ!
 よぉし、がんばるぞぉ!
 それに、ジョークのネタもまとめとかなきゃ!!
 やけに張り切るスコットだった。

 キッチン内ではルービンだけが思案していた。
「さて、どんなものを作りましょうか?」
「何でもいいわ。スコットが気に入りそうなものなら」
 そう、ルービン「だけ」が思案していたのである。
「アン=ホルテ、そういういい加減な態度は…」
「何言ってるのよ! 私が料理なんて出来るわけないじゃない!?」
 …威張れることか。
 色々言いたいことがあったらしいが、とりあえず小さくまとめる
ことにしたルービン。
「だから…」
「あら!? あなたいつから私にそんな口がきけるようになったの!?」
 怒り心頭のホルテ。その先の言葉は聞かなくてもわかる。
「ですが、料理一つ出来ないなんて、男でも出来る時代に…」
「モブキャラにそんなこと言われたくないわね!!」
「も、もぶきゃら? 私が、ですか?」
「そうよ、『銀河漂流バイファム13下敷き』にも出てないくせに!!」
 ガーン!!
 ルービンはその時おたまを落とした。

「えー、
  「なぁ、ククト料理って何だ?」
 皆様
  「ちゃんこ鍋の親戚じゃねーのか?」
 ようこそ
  「さっきおばちゃんがヤギなべだって…」
 当ディナーショーへ
  「うげっ! 嘘だろ!? ついにあのヤギも…」
 お越し
  「でも、メリーは、ちゃんといたけど…」
 ください
  「ほんと! よかった!!」
 ました…」
「みんなホルテさんの話をちゃんと聞けーっ!!」
 さすがはこの個性派集団をまとめるキャップだけのことはある。
 以前のロディを遥かに上回る迫力だった。
 それもそのはず、彼の後ろに掲げられた垂れ幕には…
 いや、読めない。よくわからない。
「ごめんなさいククト語なのよ。『スコット=ヘイワードジョーク
ディナーショースペシャル!』って書いてあるの」
 …まあそういうことらしい。
 それを聞いてげんなりする一同。
 互いの顔をばつの悪そうに見合ったり、唇を噛んだり…
「では、まずはククト料理の方をご賞味ください」
 との合図で皆が「いっただっき」とまで叫んだ時…
<<警告! 警告! イエロー警戒態勢発令!>>
「おっしゃ! グッドタイミングだぜ!!」
 いち早く反応したのはバーツだった。
「バーツ、行くぞ!」
「かーっ! 腕がなるぜ! マキ、出撃だ!」
「アタイ、ちょっとくらい食べたかったな…」
 皆晴れ晴れとした表情で食堂を後にする。
 ちっ! ボキーのやつ、ジョークをちっとも理解してないくせに!
 スコットには「ボギーは一人だけディナーショーに参加してない
のを不満に思っている」としか考えられないようだ。
 そして、ここに不満を漏らす者がもう一人。
「どうして… どうしてみんな彼のジョークを聞いてあげないの!?」
 誰あろうホルテその人だった。

 今回の攻撃は激しすぎた。いくら嬉しい気分のロディ達でも到底
太刀打ちしきれるものではない。
「赤ちゃんの写真を早く送って! 約束してたのよ」
 と慌てて指示するルービンに、バイファムからの通信でロディが
口を挟む。
<<フレッド。あれを転送するんだ!>>
「え? あれって… ええっ? いいの!?」
<<ロディ、あれって、アレか?>>
 バーツも気付いたようだ。
<<そうだ、アレだ! きっとそれで攻撃が止まる! 早く!>>

 10分後。

<<バッカ野郎! ロディ! 攻撃が余計激しくなっちまったじゃ
ねーか!?>>
<<おかしいなぁ… やっぱり赤ちゃんの写真を送ってくれ!>>
 兄さん、あれはやっぱりマニアにしか意味がないんだよ…
 赤ちゃんの写真を撮りながら、フレッドはため息をもらした。

「アレって何だ? まあいいけど… はぁ、また僕のジョークショー
 が中止になってしまった。一体今までに何度計画したことか! 
 そういえば、この前作ったショーのチケット、どこに行ったんだ?
 これもどうでもいいか。公演予定が未定になったんだから。でも、
 一体どうして赤ちゃんの写真なら攻撃が止まるんだ? ロディの
 言ってたアレは止まらなかったのに… わからないことだらけだ」