アルバイト大作戦!〜ちょっと話し合い  次の日、早速夏休みで誰もいない1年1組の教室で、5人は話し 合うことにした。  まるで道徳の時間のようだ。誰もが真剣だった。 「あんねえ、あんた達… ようもあんな目立つところでバイトなん かやってたわ…」 「ほんと? ねえ、圭太君、本当に、アルバイト、してたの…?」 「まあな」 「じゅん君も? 僕達に隠れて?」 「だってよお、圭太が黙ってようぜっていうから…」 「お前だって賛成したじゃねえか…」 「…勝手だよ、あんた達」 「そうだよ、圭太君、じゅん君! 何にも話してくれなかったじゃ ない? 僕達そんなに信用ないの?」 「だけどよお… 見つかったら校則違反だぜ? 謹慎処分とか何と か、そんな罰がくるんだぜ? 俺はそんなことどうでもよかったけ ど、圭太はお前らのために一応そこまで考えてたんだぜ?」 「だけど、圭太君…」 「あんたねえ。うちの同好会の会長が、活動始めて十数日でいきな りお縄ちょうだいだったら、格好つかないじゃない!?」 「じゃあ、俺はいいってのかよ!?」 「ま、見つかったもんはしょうがないしなあ。頼むから、もう少し 黙っててくれよ? それなりに隠れてお金つくってくるからさ」 「だけど、そんなにまずいの? 5000円って…」 「アホか詩歌? 年5000円だぞ? みいの一月の小遣いでも、 それくらいあるぜ?」 「んー、そうだよなあ。さすがに、年5000円じゃあなあ…」 「…僕も、バイトしようかな?」 「えっ? 何言ってんだよ、麗ちゃん?」 「校則違反なんだぜ? お前にそんな事して欲しくないから、圭太 も俺だけしか誘わなかったんじゃねえか?」 「だけど、僕もバイトしたら、もっと多くのお金が出来るよ?」 「そりゃあ、そうだけどさ…」 「私も、アルバイト、してみます…」 「あんずまで、そんなこと言うの?」 「だって、同好会、続けて、いきたいんです…」 「なんだよ、信用してねえのか? 俺達だけで充分だって!」 「でも、私も、バイトします。もう、決めました」 「じゃあ、この際みんなでバイトすっか?」 「おい、じゅん? 無茶言うなよ!?」 「だけどよお、この際実力行使の方がいいんじゃねえのか? どう せ見つかったら全員が同好会活動停止になるんだろ?」 「そうか、そうだよな? じゃあ、強制はしないけど、夏休みの間 だけ、俺がバイトを許すよ。責任は全部俺が取るから。だけど、嫌 なら無理すんなよ? 俺とじゅんだけでも結構稼げるはずだから」 「うそぉ…? どうしよう、あたし…」